世界で進む様々なAI投資。人工知能が投資の世界も変える?
人工知能で投資をする時代が近づいています!
AI投資は米国を先頭に、日本でも近年その市場規模を拡大しており、
個人投資家にとってはメリット、デメリット様々ありますが、投資生活を大きく変える問題でもあります。
そんなAI投資について、その魅力や市場規模を確認しておきましょう。
人工知能は投資の世界も大きく変えようとしています。
人工知能の進化によりAI投資が世界中で普及し始めています。そんなAI投資とは何なのか覚えておきましょう。
■人工知能を利用した投資
AI投資とは、人工知能(AI)を活用した投資サービスのことで、資産運用を人工知能が人間の代わりに行います。
目標金額や期間にあわせて自動で人工知能(AI)を利用したサービスが各社から出ており目的に応じて選択することができます。
・AI投資のサービス
・投資配分の決定
・売買を一任
・許容リスクなどの運用計画を自動化
例えば、三菱UFJ国際投信は日本株を対象とした「AI日本株式オープン」を2017年2月から運用開始しており、人工知能(AI)を活用し分析を行います。
また、世界最大級の投資銀行であるゴールドマンサックスは、2008年ごろから人工知能(AI)の運用を行っています。当事600人体制のトレーダーで大口顧客の注文を取引していましたが、人工知能による自動化を進め、2017年には数名のトレーダーが本社に残る形へと変貌。
その代わり、200人のコンピューターエンジニアによって人工知能を使った株取引がされているそうです。
こういった人工知能などを使った自動化の流れは、ウォール街全体の45%まで進んでいます。
このように、人工知能の進化によって投資の流れも変わりつつあり、その規模は急速に拡大しております。
AI投資が拡大すればするほど、人間同士の心理戦からコンピューター対人間の戦いになりますので、個人投資家は特に投資生活が大きく変わってくるでしょう。
■ロボアドバイザーが人間に代わる投資をする
AI投資にはロボアドバイザーというAI投資ツールが利用されています
ロボアドバイザーとは、ネット上で5~10個程度の質問に答えていくと、その人に合わせたポートフォリオを自動で形成し、ベストな資産運用を瞬時に提案してくれます。
それにより、投資の判断や資産運用をロボアドバイザーに全て任せることになり、その後は何もせずに結果を見守るお任せ投資になります。
投資タイプとしては「投資一任運用型」と「助言型」があります。
投資一任運用型
投資一任運用型は全ての運用まで任せるタイプです。
■投資一任運用型サービス一覧
・WealthNavi(ウェルスナビ)
・WealthNavi for SBI証券(SBI証券)
・WealthNavi for 住信SBI銀行(住信SBI銀行)
・楽ラップ(楽天証券)
・マネラップ(マネックス証券)
・THEO(お金のデザイン)
■助言型
助言型はアドバイスをしてくれますが、投資後の運用に関しては自分で行う必要があります。
・助言型サービス一覧
・SMART FOLIO(みずほ銀行)
・SBI-ファンドロボ(SBI証券)
・ポートスター(三菱UFJ国際投信)
・ファンドミー(カブドットコム証券)
・野村のゴールベース(野村證券)
これらのロボアドバイザーがあり目的に応じて使い分けることができます。
また、対象についても「ETF」と「投資信託」に分けられます。
米国市場のETFを対象とした商品を中心に、日本株を対象とした商品も増えてきております。
また手数料についても様々あり、各社により違いはありますので、自分にあったロボアドバイザーを選ぶことができます。
■AI投資のメリット、デメリット
では、AI投資にはどのようなメリットがあるのか、確認しておきます。
■初心者でも安定した投資が目指せるAI投資
AI投資のメリットとしてまず考えられるのは運用の安定化です。
AI投資であれば全てを人工知能に任せることができる為、分析能力が桁違いにUPします。
AIが世界中のビッグデータを分析することで、人間より適切な投資判断ができるようになる可能性が高いので、安定な投資へと繋がります。
また、個人に合わせ最適なポートフォリオで運用する為、安全に運用するスキルがない人や、初心者などには向いている投資法になります。
AIによる分析、判断であれば人間のような心理的判断ミスが無くなることも大きなメリットとしてあります。
約8割の個人投資家が負けてしまう投資の世界ですが、GPIFの公表によると過去50年間の日本株の平均リターンは約6%あると言います。
それであれば投資でのリターンを得ている人が多いはずですが、実際は下落局面などで心理的に耐えられず、損を出してしまっている状況が多く見られます。
この心理的部分を排除し、リターンを狙えるのがAI投資の魅力でありメリットです。
その他AI投資のメリットしては、手数料が低めであることや、小額から投資できるものまであること。
インターネットだけでできるので、窓口に行く必要がなく手間がかからない。
といったメリットがAI投資にはあります。
■AI投資の拡大で今までの投資法が変わる可能性
では逆に、AI投資でのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
まず、AI投資はビッグデータなどを活用し、人間では難しい膨大な量の情報を分析することができます。
それにより、安定した運用を目指しますが、必ずしも損が出ないわけではありません。
突発的な急落などの予測はまだまだ難しく、予測不可能な点もあることを覚えておく必要があります。
AI投資に任せておけば必ず儲かるということではないと言うことです。
また、人工知能の投資が今後増えていくことで、今までの分析方法が通じなくなるという点があります。
今までは人間の心理が大きく関わっており、株価はある程度予測することもできましたが、相手が人工知能となれば話は別です。
例えば、様々なテクニカル指標が参考にならなくなったりする可能性もありますし、流動性も大きく変わることが予想されます。
現在は、米国市場のETFや国内ETFを使ったものがほとんどですが、個別銘柄までも対象になれば、今までの投資法が大きく変わるでしょう。
このようなデメリットがAI投資にはあります。
■AI投資でのロボアドバイザーの市場規模
日本と米国でのAI投資市場規模と、今後予想された拡大規模を確認しておきます。
■2020年には約1兆円規模の日本市場
日本でのロボアドバイザー運用資産は2016年約240億円とされ、毎年プラス172%の成長を続けると予想されています。
それにより2020年には約1兆1,400億円規模へと急拡大する見通しです。
また、運用件数の部分で見ると2016年は約26,000件で、2020年には105万件へ拡大が見込まれています。
つまり、40倍以上の拡大が予想されており、ロボアドバイザーの勢いとマーケットは拡大し続けると見られています。
2016年
運用資産約240億円
運用件数約26,000件
2020年
運用資産約1兆1,400億円
運用件数約105万件
このような国内のロボアドバイザー市場規模推移が予想されており、その規模は急速に拡大しております。
今後は、ロボアドバイザーを扱う企業も増えるため、運用成績や新たなサービスがポイントとなり「貯蓄から投資へ」と引き込めるのか注目です。
それらのことから、日本でも市場規模は拡大の一途をたどると予想されます。
■米国市場でも市場規模が急拡大中!
ロボアドバイザーの発祥地である米国市場は、10年以上前からAI投資を取り入れ、日本よりはるか先を走っています。
米国でのロボアドバイザーの市場規模
2014年:運用資産約2兆円
2016年:運用資産約6兆円
2020年:運用資産約220兆円
2025年:最大で約850兆円
このような市場規模が予想され、日本と比べはるか先をいっていることは明らかです。
米国では現在ロボアドバイザー企業が乱立しており、再編の動きが開始されています。
それにより、関連企業数の減少はあるが現在の10倍以上の経済規模へ拡大されると米国では予想されています。
また、世界的にみてもまだAI投資は広がりが期待できるため、市場規模は大きくなる可能性を秘めています。
■まとめ
AI投資は人工知能の進化により急速にその規模を拡大しております。
投資の未来はAIによってその流れが変わってきており、今後の投資戦略は難しくなる予想もあります。
上がる?下がる?マイナス金利の株価への影響と効果の解説
2016年2月に日銀がマイナス金利という歴史的な金融政策に踏み切り、2017年8月で1年半が経過しました。
2%の物価安定の目標は維持されていますが、現状は達成しておりません。
そんな中、マイナス金利政策について考えてみます。
マイナス金利の株価への影響や今後の予測などまとめ、今後の投資に活かせていけたらと思います。
まず、マイナス金利とはどういうものだったのか簡単に確認していきましょう。
■マイナス金利とは
マイナス金利とは日銀が行った金融政策の一つで、日本銀行と各金融機関における金利の話となります。
これまで、日銀は黒田総裁が就任してから2%の物価上昇目標を掲げ、市場にお金が回るように金融緩和政策を行って来ました。
しかし、目標であった2年で2%の物価目標は実現しなかったこともあり、マイナス金利を導入することになりました。そのマイナス金利を簡単に説明すると、各金融機関は日本銀行に口座を持ちお金を預けています。
この日本銀行へ預けている分のお金には金利が付いていましたが、マイナス金利導入以降は逆に利子を払わなくてはいけない状況になります。
メガバンクを中心とした各金融機関は、このマイナス金利政策により日本銀行へお金を預け利子を払うより、企業などへの貸し出しや投資などにお金を回す方がいいので、必然的に市場へお金が回るようになります。
このマイナス金利政策によりお金が市場に回るので、景気を刺激し、デフレから脱却しようというのが目的です。
■マイナス金利の導入時期
2016年1月29日にマイナス金利政策の導入を決定
2016年2月16日からマイナス金利が導入
マイナス金利の適用範囲については
・金融機関から預かる当座預金の一部に0.1%のマイナス金利を適用
マイナス金利は個人には適用される訳ではなく、各金融機関に適用ということを覚えておけばいいでしょう。
■マイナス金利の狙いは円安株高
日本銀行は上記のようにマイナス金利により、市場にお金を回すことを狙っていましたが、円安株高も狙っていました。
マイナス金利と為替の関係としては、
日本銀行がマイナス金利を導入すれば、日本の金利が低下し、日米の金利差が拡大することで円が売られ円安になります。
また、日本の国債長期金利を0%目標にすることで、投資家は円をドルに換え米国債へと資金が向かうようになるので、ドル高円安が起きます。
円安になれば、輸出株の業績UPに繋がり最終的には株高にもなる。
というのがマイナス金利の狙いです。
ただ、マイナス金利を導入した後は、思惑通りの円安株高とはならず、円高株安を引き起こす展開になりました。
■マイナス金利後の株価の動き
では、マイナス金利によって狙いとは逆の円高株安になりましたが、その動きを詳しく見ていきましょう。
■マイナス金利の影響
2016年1月29日、日銀黒田総裁によりマイナス金利の導入を発表
場中に発表されたこともあり、発表直後は追加緩和との思想から一気に買いが向かいました。
しかし、マイナス金利政策の内容が次第に伝わることでその後は売られる展開に。
それにより日経平均株価は1日で871円の値幅で動き、乱高下の展開。
その後は銀行株を中心に売りが広がり、日経平均株価は下落。為替相場も円高のへと推移していきます。
円高株安へと向かったのはマイナス金利の影響もありましたが、世界的な株安や原油安の影響もありました。
また、イギリスのEU離脱問題も世界的に相場を冷やし株価を下げる要因となり
EU離脱が決まった6月24日には
為替は一時99.08円
日経平均株価は一時14864.01円
と最安値を更新する展開となり、円高株安へと大きく動きました。
黒田日銀総裁はマイナス金利により、円安株高を狙っていましたがその逆の流れとなりました。
■マイナス金利で効果があったセクター
マイナス金利で特に影響がある業種としては
・金融セクター
・不動産セクター
などがメインで、この中でもマイナス金利の恩恵を大きく受けたのは、不動産セクターでした。
マイナス金利により各金融機関は住宅ローン金利引き下げを行い、その結果借り換えが急増。
借り換え申し込みは前年同月比、3.6倍増と大きく伸ばしました。
このような動きもあり、不動産セクターやJ-REIT(不動産投資信託)は上値を伸ばす展開へ。
東証REIT指数は日経平均株価が下げる中、マイナス金利発表前の1686.53ポイントから、3ヶ月後には1981.94ポイントへと上昇。
それらのことから、マイナス金利はお金を借りる個人や企業などには効果があり、不動産セクターも効果はあった形になります。
もう一方、マイナス金利の影響をダイレクトに受けるのが銀行株。
大手銀行を含め地方銀行株までマイナス金利発表直後は大きく下げました。
■マイナス金利の今後
マイナス金利の導入によって為替、株価共に序盤は影響がありましたが、今後はどのような影響があるのか考えてみます。
■先にマイナス金利を導入している国の動向
日本におけるマイナス金利の影響を考えていく訳ですが、日本より先にマイナス金利を導入している国を例に見ていけば、今後を予想できる可能性があります。
日本より先にマイナス金利を導入している国
2014年6月5日:欧州中央銀行(ECB)
2014年12月18日:スイス国立銀行
2014年9月4日:デンマーク国立銀行
2015年2月12日:スウェーデン国立銀行
2016年2月16日:日本銀行
この中でも、まず見ておくのがECB
欧州中央銀行ECBは預金金利をマイナス0.1%に決定。この数値は日銀の措置と類似しております。
このECBが導入したマイナス金利によりその後どうなったか見ると、マイナス金利幅は0.1%でしたが、その後マイナス0.2%マイナス0.3%、現在はマイナス0.4%まで追加利下げされています。
また、その他スイス、デンマーク、スウェーデンもマイナス金利の幅を拡大していますので、日本でも追加の利下げがある可能性があります。
■個人口座にも適用されるマイナス金利
これは日本より先にマイナス金利を導入しているスイスでの取り組みになりますが、大手銀行として初めて、個人顧客にもマイナス金利を適用すると発表。
この動きをしたのはスイスの郵便貯金を運営するポストフィナンスで、100万スイスフラン(約2億円) 以上の大口預金を持つ個人顧客を対象としました。
2017年2月1日よりマイナス1%の金利が適用。
スイスでのマイナス金利は、マイナス0.75%と金利の幅を拡大していることも、要因としてあり個人顧客まで広がっています。
これらの一例からもあるように、日本でもマイナス金利幅が拡大し、個人顧客にまで広がる可能性はあるかもしれません。
ただ、マイナス金利導入国の動きを見てはっきりと言えるのは、マイナス金利政策はすぐに縮小、終了するという動きは考えにくい為、日本でも長期化すると考えられます。
■まとめ
日銀黒田総裁が2016年に導入したマイナス金利は、お金を借りる個人や企業にとっては金利が低くなるため大きなメリットがありますが、金融市場は思うように動いてくれません。
今後の不動産セクター、住宅ローン金利などにも注目ですが、追加の利下げがあるのかその動向は特に注目です。
投資判断に迷った時、本当に使える実践的な相場格言7選
投資の神髄をズハリ言い当てた相場格言7選!
勝つ為に必要な知識と大切な資産の守り方がここに詰まっています。
初心者の方にはとくに知って欲しい過去の教訓から、時代による変化がない投資の「本質」に注目し、今に通じる学びを習得することができます。
先人達の失敗を自分のものとして、具体的な実践方法から注意点までを学び、成功への近道を歩んでいきましょう!
■人の行く裏に道あり花の山
株式相場において最も有名な格言のひとつ。
訳すると「人と違うことをしなさい」という意味。
投資家はとにかく群集心理で動きがちで市場のムードに流されてしまいます。
周りが買いに強気であればつられて買いに走ってしまいますが、その時がすでに天井だったということもしばしば。
また、相場に絶望しているときはどの銘柄を見渡してもかなり割安だったということがわかります。
バブル期にはこぞって株や土地を買いあさり、日経平均は4万円に行くだろうと誰もが信じきっていましたが、結果はご存知の通りです。
過去の暴落相場ではたくさんの投資家が市場から離れてしまいましたが、この時に買った少数の投資家は大きな成功を掴みました。
「人の行く裏に道あり花の山」では、誰も行かない道に進むとうまくいくことが多いと説いています。
このようなスタンスを投資の世界では『逆張り』と呼びます。
トレンドに逆らった売買をするのはリスクがつきものですが、そのリスクを負った先には大きな成功があるというこの教えを一度思い出してみましょう。
■遠くのものは避けよ
国内上場企業約3,500社からの銘柄選定は一番に訪れる悩みどころでしょう。
この格言では「自分がよく知らない企業だったり馴染みのない分野には手を出さないほうがよい」と説いています。
投資対象を選ぶには、興味があるものや、身近な商品、知識ある分野などにヒントは転がっており、自然に情報が入ってくるものです。
今やインターネットを使えば様々な情報が入手できるわけですが、事実に反するいい加減な内容も多く存在しています。
知らない企業や業界だと、テレビやラジオの経済ニュース、新聞や四季報、インターネット等、誰もが知ってる情報しか手に入らず、その情報の真意を確かめることは難しいでしょう。
このことから「不確実なものには手を出すな」と読み取ることもできます。
アメリカの有名投資家ウォーレンバフェット氏の保有株も「アメリカン・エキスプレス」や「コカコーラ」等、代表的な銘柄はどれも身近な企業ばかりで「よく知らないものには投資しない」と言っています。
この格言では基本的に長期投資の場合に意味を成しますので、スイングやデイトレードの短期投資では意識しなくてもいいでしょう。
■相場は相場に聞け
相場は生き物であると言う言葉をよく耳にします。
この株価になったら売ろうと思ってもなかなか売れないケースが多くあるように、自分の思い通りにいかないのが相場。
売買に期待値を込めた水準を設定してしまうとうまくいかず、また、理屈の通らない動きをしますから大きな痛手を受けることになりかねません。
この格言では「自分の考えを押し付けず相場には素直に従うべき」と説いています。
相場のことは相場にしかわからず、相場が示していることが「答え」です。
自分の思惑通りいかないときはこの格言を思い出し、相場に少し耳を傾けて柔軟な対応ができるよう心がけましょう。
■買いにくい相場は高い
買いづらい相場にかぎって高くなっていくという教え。
わずかに値上がりの兆候があるものの根拠が弱いので見送ったが、そのあと相場は上昇してしまった、という経験はよくある話です。
株価の変動にはそれなりの理由があります。
安いからという理由だけで株を買っても全く上がらないことは多いもので、逆に、高くて買いづらい相場ほど成長期待や好業績の理由からさらに上昇してしまうこともしばしば。
この格言では「理由を考えずにただ株価が高いという理由だけで避けていては良い相場に乗れない」と説いています。
その典型となるのが「安物買いの銭失い」と言われる行為で、買い物の無計画性を表すこの言葉は、日本人は買い物が下手と言われる所以でしょう。
迷った時がチャンスかもしれませんね。
■売るべし買うべし休むべし
株式投資は売り買いによって成り立っていることは言うまでもありません。
冷静な判断を保つためには「休む」ことも必要であると説いており、この3つが揃って初めてバランスのとれた良い投資環境と言えます。
ここで言う休むとは、ポジションを持たないこと。
言葉の意味を理解しながらも実行するのはなかなか難しいもので、儲けることばかり夢中になったり「取り返そう」と周りが見えなくなって、後戻りができなくなってしまうケースも多く見られます。
また、同じ意味で「休むも相場」という格言もあります。
相場の見通しが分からない時には、休んで深呼吸して、周りを見渡してみると良いでしょう。
■二度に買うべし二度に売るべし
今が相場の底だと判断し、全資金で1つの株を買ったとしましょう。
しかしそれは下降トレンドの始まりで、まだ底では無かったという苦い経験が誰しも多々あると思います。
それでは賢い投資とは言えず、全力投球してしまった以上、もう他に打つ手が無くなってしまいます。
空売りも同様に言えることですが、どんなに自信のある場面でも1度の売買に資金を集中することは大きな失敗になりかねません。
相場が予想通りに動く保証は無いため、まずはさぐりを入れてみる。このとき有効なのが『打診買い』で自分の判断を確かめることです。
たった一度の売買に全て賭けて失敗することを考えれば、このくらいの手間を惜しむことはありませんね。
この格言は「投資の基本は分割すること」という教えであり、リスクをコントロールするうえで最も重要な投資戦略と言えるでしょう。
一度の敗北くらいでは揺るがない気持ちを持てる程度の資金で、余裕を持った売買を心掛けて投資を楽しみましょう。
■見切り千両
保有している株が買った時点から株価が下がると資産は減少していきます。
いつ底を打つかわからない含み損を抱えた株に対して、損失がこれ以上大きくならないうちに見切りを付けることは千両の価値があると説いた格言です。
投資家心理というものは不思議で、株価が上昇した時は確実に残したいがために早く売ってしまい利益を伸ばすことができず、逆に下落したときは反転を期待してなかなか損切りできないという状態に陥ってしまいます。
誰しも「少しの損で済むなら早目に売っておくべきだった」と、何度も後悔してきたことでしょう。
株式投資においては買いよりも売りのほうが難しいと言われており、そのなかでも『損切り』は特に辛いものがあります。
仮に勝ち負けの確率が1/2だとしたら、5%の勝ちで逃げるのに、負けるときは10%も20%も引きずってはいないだろうか?
それではどうやってもプラスを残すことができません。自分をコントロールし、常に公平な判断を下すためには『ルール』を決めることです。
例えば損切りの値は-7%、利益確定は20%という風に、売買の前にラインを設定して、それを確実に実行する。
このとき「二度に買うべし二度に売るべし」を忘れてはいけません。
リスク管理を徹底し、大切な資産を守りましょう。
■まとめ
「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」という言葉があります。
先人達の失敗を我が物として、自分がその失敗を経験することなく避けることができれば、お金も時間も無駄にせずに済みます。
過去の教訓から学べる、時代による変化がない投資の「本質」に注目し、今に通じる学びを得ることができれば幸いです。
盛り上がりを見せる半導体業界の買収劇!東芝はどうなる?
東芝の半導体事業買収に名乗りを上げる企業とは?
近年、世界中の企業が半導体業界に注目し、買収に大きく動いています。
報道を振り返ると2015年から業界再編が進み、この2年間で20兆円上にのぼる買収が起きたことから、いよいよ新時代を迎えようとしているのです。
今後、半導体はどのような形で普及していくのでしょうか。私たち投資家が知っておくべき知識をまとめていきます。
数年前までの半導体といえば携帯電話に使われる部品だけで大半の売上を占めていましたが、今ではAIや電気自動車、IoTなどの分野で急成長しています。
■スマホ市場の鈍化で急ぐ事業拡張
半導体市場はこの2年間で急速に活躍の場を広げています。
2015年と2016年の半導体企業における買収額は、それぞれ11兆円を超えて過去最高水準を記録。
去年、ソフトバンクが半導体企業の英ARMを3.3兆円という大型買収で注目を集めたことはまだ記憶に新しいでしょう。
発表の翌日には、買収金額や両社の組み合わせに疑問を投げかけるような売りが殺到したことでソフトバンクの株価は11%も下落。
また同じ頃、クアルコムによるNXPセミコンダクターズ買収が史上最高額となる4.4兆円を発表しました。
これまでスマホ市場で業績を伸ばしてきたクアルコムが買収を行った背景には、IoTや自動車市場において幅広い展開を目指す方針です。
その原因に、半導体の主要製品となるスマートフォンやパソコン、タブレットなど、電子機器の成長が鈍化してきたことが考えられます。
中国でも国家施策による半導体産業強化の目的でM&A(合併・買収)が活発化。
近年、このように半導体事業の買収が激化していることがわかります。
■新時代!IoT普及期に突入する半導体
2017年に入り半導体事業買収の動きはピタリと止まりましたが、それは業界再編が始まる嵐の前の静けさとも言われています。
世界規模で相次いだ半導体事業の買収は、スマホはもちろんAIや自動車など、あらゆる「モノ」と「インターネット」が繋がるIoT時代へと確実に突入していくからこそ。
モバイルインターネット時代へとシフトし、これまでたくさんのビジネスが生まれてきましたが、ソフトバンクが次に掲げるビジネスモデルにはARMの買収が絶対でした。
例えば財布を落とした時、これまではただ祈るだけでしかなかったことが、落ちている位置情報を財布から受信する、といったことがすでに現実になってきています。
自動車や家電はもちろんデジタル機器でないメガネやカバンなどの身にまとうモノ、それ以外の全てのモノから情報を受け取り操作できるようになる世界。
つまり、これまでインターネットに接続する機能を持っていなかったモノにも、その機能が備わっていくということです。
これから新技術によりネットワーク速度はますます向上し、IoTが普及していく環境は急速に整っていきます。
そして、このビジョンが投資家にも強くイメージできたことは、ARM買収後から株価が上がり続けているソフトバンクを見るとわかります。
株価5,400円と11%も値を落としたものの、それから2017年7月現在まで堅調な動きで9,521円をつけ、この先も伸ばしていく勢い。
この通り、IoTの市場規模はかなり大きな可能性を秘めています。
■なぜ東芝は末期的状況に追い込まれたのか
倒産が騒がれるまでになった今、半導体事業の売却を余儀なくされ、今後どうなってしまうのかを考えてみましょう。
■2つの問題発覚で迫る倒産危機
ここ2~3年で立て続けに噴出する東芝問題で多くの情報が飛び交いますが、以下2つの問題に集約されます。
【不正会計問題】
2015年に発覚した不正会計問題では、利益の水増しや設備投資費用などの先送りで報告書の操作が常態化していたことがわかりました。
ここから決算公表の延期が生じ、新たな問題が明るみになっていきます。
【巨額損失問題】
数字合わせしかしてこなかった東芝のあまりにもひどい経営実態と共に、巨額損失問題まで出てきてしまいました。
買収してから業績不振が続く米ウエスチングハウスで7,000億円を超える損失を計上した結果、東芝の資本は食い尽くされたのです。
このままでは東証2部へと降格か。
社員19万人抱える巨大企業が最悪『倒産』となれば社会的影響が大きすぎる。
それを避けるためにも、事業を売却するしかありませんでした。
まず医療機器子会社をキャノンに売却し、白物家電子会社は中国メーカーへ。最大の失敗を招いた原子力事業は当然、買収先がありません。
そこで、稼ぎ頭である半導体事業までも売却するしか後がない状況までに追い込まれてしまったのです。
この件で2兆円は確保できると言われていますが、東芝の経営再建はどうなるのでしょうか。
■半導体事業の売却を巡る今後の動き
東芝は2017年7月6日現在、官民ファンドの出資が中心となったグループへと買収交渉を進める方針を示しています。
しかし、ここでひとつ問題が発生しました。
東芝と工場を共同運営している半導体の米ウエスタンデジタルが売却に反対を訴えているいのです。
あとがない東芝は売却を妨害されているとして、ウエスタンデジタルへ損害賠償を求めて提訴。
もし売却手続きが中止となってしまった場合、債務超過を抜け出すことが難しくなり、信用が低下し、これ以上の借金もできず、窮地に立たされます。
また、海外ファンドに買収される可能性も少なからず残っており、そうなるとまず借金返済が急がれることで企業価値の向上は後回しにされるでしょう。
この問題に経済産業大臣や経団連の会長、菅官房長官など日本のトップとなる方々が「東芝の技術は日本の中核となるので海外への流出は問題」と発言。
いま日本の経済を揺るがす東芝問題には目が離せない状況です。
そして、これからの成長が十分見込める半導体事業を東芝社長は、売却額を「少なくとも2兆円」と発言してしまったことは、またもや大きな失態である。
■まとめ
人工知能や自動運転など、いま注目のテーマを司るIoTの普及が見込まれる将来に飛躍的な需要拡大が絶対の半導体。
大手企業の巨額資金が買収に動いた過去2年間を振り返ると、私たち投資家にとって今、最も注目すべきテーマであることが言えます。
また、IoTのようなIT業種はテンバガー銘柄が多数でています。
その為チェック必須!